行事の多い2学期の中でも最も生徒が期待に胸を膨らませている修学旅行。今年度は1学期の探求授業で「修学旅行のプランニング」を行い、自分たちがどのような修学旅行をしたいかを探求し、プレゼンテーションの結果、選ばれた班のプランで本番に臨みました。選ばれた代表班が近畿日本ツーリストの添乗員さんと打ち合わせをして最終調整を行なったのち、行動班に別れて行動プランを立てました。事前準備は文化祭や中間試験、スポーツ大会と慌ただしい中で行われましたが、当日に向けて自分たちの貴重な時間を大切にする様子が印象的でした。

　初日は東京駅より奈良へ向かい、クラスごとの奈良公園での研修から始まりました。奈良公園での歴史や日本文化に関する体験は、東京ではなかなかできるものではないかけがえなのないものでありました。ガイドさんの話を夢中に聞きながら、友人たちといつもと違った環境で学ぶことができました。また、不思議と人に寄り添う鹿とのふれあいは貴重な経験でした。4時間ほど歩いて研修を終え宿に戻り参加者全員で夕食をとりました。空腹と高揚感の中で格別な味になったことでしょう。満腹と満足の中、ぐっすりと眠ることができたようです。

　翌日からは自主研修となります。2日目は奈良から京都に向かいそれぞれの決めた班別行動のスケジュールで過ごしました。奈良では日本で最初の世界遺産である「法隆寺」へ行きその荘厳さに魅了される生徒や、京都の清水寺や金閣寺では教科書で見た歴史との違いを実感する生徒など、奈良京都の醍醐味を味わうことができました。3日目、4日目は時間をかけて京都をじっくり味わいながら歩き、各々の定めた体験学習に取り組むことができました。

　宿泊行事では時間をかけて生徒の成長の様子を見守ることができます。今回の修学旅行でも懸命に取り組む中で見ることができる微笑ましい様子はもちろん、ついつい勢いに任せて失敗してしまう未熟な部分など、我々教員も生徒の貴重な部分を見ることができる機会となりました。まだまだ可能性しかない未来と、一生の糧となる思い出を胸に秘めて高校生活へと繋げていってもらいたいと切に願います。

中学３年　学年主任　岩崎　洋二郎