20/01/2018 Sat
本日は遠足です。勉強は関係ありません。NZでは土日に学校の授業はありません。日本のように、授業はないけど学校に来て補習や部活動ということもありません。そもそも先生が誰も来ませんので、校舎内に立ち入ることができないのが普通です。
それはさておき、この1週間雨が多く、土曜日の天気も午前中は芳しくないという予報が続いていましたが、生徒たちが集合する頃には太陽も顔をのぞかせ、明らかに昨日までとは違う日差しの予感がします。日ごろのおこない?誰のおかげでしょうかね。
こちらでは交通機関の時刻表が月〜金・土・日と3種類に分かれます。土曜日は休日扱いなので、通勤通学時間帯の運行が極端に減ってしまいます。日曜日になるとほぼ皆無という感じです。ショッピングで賑わうのは木金がピークで、日曜日がもっとも営業時間が短いというのが一般的です。昨日までとはバスの時間が違いますから、遅刻する生徒もいるかなと心配しましたが、予定の出発時刻に遅れる生徒もいなく、欠席もなく全員元気に集合して来ました。
01 集合です
ダイナスピークでの4クラスを2つずつに分けて、バス2台で出発します。見学施設の収容人数の都合で、全員が同時に移動することができず、同じ内容を午前午後で入れ替えて実施します。私はCoach 1グループ1・2のバスに同乗しました。
02 それぞれバスに乗り込み
03 出発!
シティを出て、ハーバーブリッジを渡り、モーターウェイ(高速道路)を北に15分も進むと、もう周囲の景色が山、丘、草原という感じになってきます。高速道路の真横で、牛が草を食んでいたり、馬が走っていたりしていたかと思うと、突然住宅街や巨大なショッピングモールが現れたりと、生徒たちにとっては全てが新鮮で珍しい光景に映っているようでした。
04 ハーバーブリッジから見るシティ
1時間ほど走って、最初の見学地であるSheep World(シープ・ワールド)に到着しました。いわゆる羊の毛刈りショーを見せてくれる場所です。小1時間ほどのショーですが、まずは牧羊犬の説明から始まり、外に出て実際に牧羊犬が羊の群れを柵の中に追い込んでいく様子を見せてくれました。犬笛の指示に合わせて、上手に羊を群れのままで誘導していく様子は、いつ見ても感心してしまいます。生徒たちも「おおーっ」と歓声をあげていました。
05 シープワールドに到着
06 ラムかわいい!
07 ポニー
08 ブタさんもいます
09 まずはシープドッグの紹介
10 羊の追い込み実演、お見事!
室内に戻り、牧羊業の仕組みや現状についての説明がなされますが、私たちだけの貸切というわけではないので、手加減せずに早口の英語でまくし立ててきます。ダイナスピークの授業のように、ゆっくりと何度も何度も確認してくれるような英語とは違いますから、生徒たちは、聞きとるどころかスピードについていくのがやっとという感じです。現地校の授業なんてこんなもんですからね、クセもなまりも人それぞれですよ、覚悟しておきましょうね。
生まれ年や、性別を表す印を耳に刻み、それで何百頭もの羊を瞬時に区別するという話の後で、実際に昔ながらの羊の仕分け体験です。ブルー・ピンク・色なしに分けられた羊が犬に吠えたてられて入ってくるのを、色に従って木の扉を操作して指定した場所に入れていきます。毎回必ず客席から2人選ばれるのですが、最前列に座っていた本校女子生徒が見事選ばれました。こういうときに遠慮せず、さっと前に出てチャレンジできるというのは、とてもいいことです。うまくできるかどうかよりも、与えられたチャンスを使えるのか使えないのかは、個人の評価にも大きく関わってくることですから、グイグイ前に出ていきましょう。一緒に選ばれたNZ人の女性とも息の合った操作で、毎年このイベントを見ていますが、これまでで一番上手に仕分けていたと思います。
11 羊の選別体験、手前が本校生徒です
12 頑張りました
その後で、いよいよ毛刈り実演ですが、羊が暴れないようにどこをおさえれば動きを止められるのか、どこを刺激すれば一時的に静止させられるのかなどを説明しながら、手際よく刈っていきました。観光専用ではないので、お世辞にもきれいだとは言えない羊たちですが、生徒たちがリアルさを感じてくれたら嬉しいです。
最後はいつものように、子羊にミルクをあげるアトラクションです。ミルク入りの哺乳瓶をめがけて、かわいい子羊たちがまっしぐらに突進して来て、一心不乱にミルクを飲む姿は本当に可愛いのですが、いわゆるラム肉とは生後6ヶ月までの子羊の肉のことで、こちらの人は子羊を見ると美味しそうと思うんだそうです。
13 容赦ないので、見ていてハラハラします
14 癒される時間です
ショーが終わると、ここでランチタイムです。ファミリーがランチは用意してくれていますが、カフェでポテト(こちらではチップスと言います)を買ったり、アイスを買ったり、すでに食欲がNZ基準になってきています。
15 ランチ後のポテトです
昼食後、再びバスに乗って、Parry Kauri Parkに向かいました。Kauri(カウリ)というのはNZ固有の木で、成長が非常に遅く、画びょうも刺せないほど硬くなります。そのため建材や家具に用いるために乱伐され、現在では伐採は禁止され保護されています。ここには樹齢800年というカウリの中では比較的若い木がありますが、それでも幹の周りは7.6メートルあります。カウリの木には神が宿るといわれており、お願いごとするんだよと教えてあげると、今年は男の子が熱心に両手を木にあてて何やらお願いしてましたね。
ここはWorkworth(ワークワース)という地区で、第2次世界大戦中は米軍が駐屯していた場所でもあります。ここにはかつてのこの辺りの暮らしを再現した建物や、米軍の駐屯施設なども展示されており、ちょっとした資料館になっています。
16 カウリの木と記念撮影
17 男たちよ何を願う?
18 偶然到着したcoach 2もパチリ
19 お約束
20 19〜20世紀にかけてのワークワースが再現されています
最後は本日のメインイベント、ビーチです。ワークワースからは15分程で到着できる場所にある、Orewa Beach(オレワ・ビーチ)に行きました。午後2時ぐらい、1日の中で最も気温が上がっている絶好の時間帯です、しかもここまでの天気がウソのように、気温もあがり風も適度に吹き、この日は引き潮でしたので、広い砂浜と遠浅の海を満喫していました。オレワはちょっとした高級住宅街兼避暑地といった街で、オークランドシティーからも自家用車であれば手軽に来られる人気のビーチです。
21 海を見るとなぜか走る若者たち
22 真夏のビーチ、これでも比較的混んでいる方です
23 何やら企む男子たち
実はこのビーチから徒歩5分の場所に、本校生徒が通う現地校の一つであるOrewa College(オレワ・カレッジ)があります。今年この学校に通う3人を、一足先に案内してあげました。もちろん夏休み中ですので、学校には誰もいませんが、NZの学校は入り口に門がある訳ではないので、敷地内であれば立ち入って見学しても問題はありません。各学校は、この期間に修繕や、芝刈りなどをおこなうのですが、今日は土曜日なので、そういう作業もおこなわれていませんでした。オンとオフの使い分けがはっきりしていますので、休みは本当に休みです。羨ましいと思うかもしれませんが、日本の学生がまず戸惑うのは、いざ土日を自分の好きなように使っていいとなったときに、どう使っていいかわからずに困るということです。学校や部活動とは関係なく、自分が打ち込んでいることや趣味としていることがないと、暇をもて余すことになってしまいます。
見学した3人は学校の敷地の広さに、教室移動で迷子になりそうと、心配していました。おそらく最初は迷子になるでしょうね。そして、広大な天然芝のグランドを見て、「ここ1周走りきれない」とその広さに驚くというよりは、見ただけで疲れてしまっていましたね、「学校終わると5分でビーチ」なんて、そうそう体験できる環境じゃありませんから、存分に満喫してくださいね。
24 Orewa College勝手に訪問
25 画面に収まりきらないグランド、総天然芝!
26 グランドの広さに見ただけで疲れてしまった3人(笑)
午前中まずビーチから訪れたCoach 2もみんな海を満喫できたとのこと、今日は本当に天候に恵まれてラッキーでした。ダイナスピークの授業も折り返しです。そして、1週間後には現地校のステイ先に移動し、いよいよ一人一家庭でのステイ生活が始まります。今はみんなで一緒にいるので、ちょっと気持ちに余裕があるでしょうが、1週間後には、いま隣にいるその友達はあなたのお手伝いをしてくれなくなります。残り1週間で、しっかり覚悟を決めて留学生活に臨んでくださいね。
27 遊び疲れて...