2017年06月23日 学校行事
2017年度 4年歌舞伎鑑賞教室【歌舞伎鑑賞教室】
平成29年6月21日水曜日、国立劇場において、第91回歌舞伎鑑賞教室で『毛抜』を楽しんだ。外は嵐である。劇場内の落ち着いたロビーを抜け、座席に着くと生徒たちは皆一息ついたようだ。
前半『歌舞伎のみかた』では、2代目中村錦之助の長男、中村隼人による解説を受けた。実際に演じられた「立廻り」と「毛振り」の迫力に圧倒される。生徒の座席は「かぶりつき」と呼ばれる最前列で、チベット高原に生息するヤクの白い毛の振り様や、足腰から頭まで全身の運動の様子など、本物を見に来られて満足だった。さらに、写真撮影も許可され、各生徒思い出を残していた。
後半『毛抜』本編は推理劇で、探偵役とも言える粂寺弾正の独特な人物像は、観客の心を掴んで動かす。髪の毛が逆立つ奇病に見舞われた錦の前、その悲痛な表情を見れば我々の心も痛む。弾正が持つ鉄製の毛抜と小柄が突然踊り出し、銀の煙管には何も起こらない。訝しむ弾正が見得を切る、この表情の面白さ。真相究明と大団円を迎え舞台は幕が引かれる。「御一同様のおかげで、身に余る大役もどうやら勤まりましてござりまする」花道を颯爽と引き揚げていくのが快かった。