19/01/2017 Thu
本日は雨の予報が出ています。そして朝から本当に気温が上がりません。昨日まではTシャツや七分袖シャツでなんとか頑張ってきた私も、本日はついにパーカーを着ることとなりました。
生徒たちはといえば、昨日欠席した生徒も元気に登校しており、本日も誰一人遅刻していません。そろそろ私も朝礼には顔を出さないようにしていきます。何かある場合は、ここにいる人たちに相談し、手を借りることが何よりも重要ですから、いつまでも私の姿を探し求めるようでは困りますよね。
生徒たちの教室があるフロアに行き、授業の様子を廊下からうかがってみました。どの教室も絶えず笑い声がして、生徒たちの体と口がよく動いています。外から見ていても、楽しいんだなというのがよくわかりますし、先輩たちもこの2週間のレッスンは本当に役に立つから、真面目に取り組んだ方がいいと口を揃えて言っています。
授業が始まる頃には本当に雨が降り始め、午後のアクティビティが一部変更されることになりました。私が同行したのはグループ4のAuckland Art Gallery(オークランド美術館)です。Dynaspeakからは歩いて5分もかからないところにあります。小雨が降っていましたので、やや足早にAlan(アラン)先生先導のもと、みんなで移動して行きました。
博物館や美術館では、カバンなどは入り口で預けなければいけません。時間もかかりますので、生徒たちはあらかじめ見学に必要なテキストと筆記用具をDynaspeakの赤いバッグに入れ、あとは教室に置いて行きます。もちろん貴重品は常に自分で持っていなければいけませんので、教室には置いていきません。そして、教室には生徒たちが戻ってくるまで鍵をかけておきます。
01 グループ4出発前の集合風景
02 Alan先生点呼中
03 小雨の降る中での移動
美術館の入り口を通りまず最初に入るのはNew Zealand artのコーナー。現代美術が中心となりますが、NZ出身の芸術家による作品が展示されています。美術にさほど関心のない生徒にとっては、何をどう見ればいいのかさっぱりわからないかもしれませんが、Alan先生からはあらかじめmission(指令)が手渡されています。それぞれにbeautiful(美しい)、dark(暗い)、mysterious(謎めいた)などの言葉が書かれており、生徒たちは自分の感性でその言葉のイメージに合う作品を見つけ、先生に報告します。そして先生はOKを出すとともに新しいmissionを与えます。反応が早い生徒にはmissionを2つ組み合わせたりなど、生徒の様子を見ながら常に各生徒が頭と体を動かしていけるように気を配っている様子がうかがわれて、私も参考になりました。
04 Art Gallery外観
05 赤いバッグがDynaspeakの生徒の印です
06 mission開始です
07 それぞれの感性で作品のイメージを受信中
08 「これ蛍光灯だよね、私でも作れそう」なんて思っていませんか?
09 何を感じ取るのかは自由です
10 じゃあ次はこれね
11 私のイメージはこれです
次に移動した先はInternational historic art(世界の歴史に関する作品)、大半の生徒にとってはわかりやすくホッとするスペースだったんではないでしょうか。普段見慣れた感じの、これぞ絵画という作品が並んでいましたね。このグループは、描かれた背景や意味についてもっと知りたいと思う生徒が多く、Alan先生の話しにも熱心に耳を傾けていましたし、私も随分と質問されました。
12 私はこれだと思う
13 Alan先生解説中
ここの美術館は企画展示を頻繁に入れ替えており、子供向けのスペースでは折り紙体験コーナーがありました。折り紙は英語でもそのままorigamiと呼ばれており、書店でも折り方の本をたくさん見つけることができるほど人気があります。ここは君たちの見せ場でしょうということで、鶴、手裏剣、箱、口、風車・・・何も見ずにささっと作っていく姿にAlan先生もびっくりでした。「日本人はどこでこれを習うんだ?学校か?」と尋ねられたのですが、そういえばどこで習ったのでしょうかね、私もよくわからず、「日本で暮らしていると、いつの間にかできるようになるんだよ」と笑って答えました。
14 定番です
15 手裏剣製作中
16 Alan先生驚きの動く唇
17 3D作品です
18 作品名「微笑み」
19 ファミリー向け企画展示
20 似合うかしら
21 どうかしら?
22 3Dその2
特別展示で一通り楽しんだあとはThe Maori Portraits(マオリの肖像画)コーナーに移ります。ここは館内で唯一写真撮影が禁じられている場所です。様々なマオリの肖像画や生活の風景を描いたものを通して、先住民であるマオリと後に入ってきたヨーロッパ人との争いや融和といった歴史を感じ取ることができます。伝統的なマオリの衣装に身を包んだ肖像画もあれば、ヨーロッパスタイルの正装をしたものもあり、それがどういうことなのかを疑問に持ち、問いかけてくる生徒もいました。
このグループの生徒たちは、今までにないくらい様々なことに関心を示し、どんどん質問してきます。関心を持つことは、お互いに理解しあうための大事なツールだと思います。みなさんの目の前には今までに見たことも聞いたこともないようなことや、自分の常識では考えられないようなことがたくさん出てくると思います。否定するのではなく、拒否するのではなく、まず尋ねてみましょう。わからないこと知らないことは教えてもらうという当たり前のことが、コミュニケーションの第一歩であり、あなた自身を相手に理解してもらうためのスタートでもあります。今日の「知りたい」と思う気持ちを大事にしてくださいね。
帰る頃には雨も上がり、夕方には晴れ間も出てきました。明日は天気は回復する予報です。気温は涼しいですけど、紫外線は強いですからね、お肌のケアは怠らないようにしましょう。
23 天井から下がっているこれも作品です
24 それでは戻りましょう
25 夕方5時30分の空模様