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2016年12月27日 伸ばすメソッド

サイエンスラボ(理科実験)  -手指の細菌について-  サタプロ中学1年生

5回シリーズの2回目。
前回の発酵食品に引き続き今回は,手のひらにいる細菌について学びます。

 手には通過菌と常在菌がいます。
通過菌は周囲の環境から手に付着したものです。
これは洗浄でかなり落とすことができると言われています。
これに対して,常在菌は皮膚に住み着いている菌で完全に洗い流すことは難しいと言われています。
糠漬けは,乳酸菌などの働きによるものですが
人の手についている常在菌によっても風味が変わると言われています。

どのような細菌がどの程度手に付着しているのかを確認します。
実験は寒天培地に手を押しつけて,後日その寒天培地の様子を観察することで行われます。

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そして,前回仕込んだ糠漬け。
全員で確認します。
さてその味は?

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科学研究は個人で行うこともありますが,
多くは他の研究者とコミュニケーションを取りながら進められていきます。
自分が分からないことは科学者も誰かに聞くことをします。
聞いたり,教えたり。
こうして科学者の間にはネットワークが構築されていきます。

土曜日の午後,5階の生物室に中学1年生が集まります。
クラスも違うし,個性も異なります。
ですが,彼らは一つのテーマに向って共同作業に入ります。
やり方が分からなければ,誰かに聞き教えてもらいます。
彼らは聞くことで学びます。
そして教えることでも学んでいきます。

知識を得ることと同時に,聞き方や,教え方を学ぶことも大切なことだと思います。

次回のテーマは「ヨーグルトについて」。
この内容は3学期の始業式にアップする予定です。
木下 浩

追伸
 1学期に行った「美味しいパンのレシピ」。
実は2学期に入っても密かに美味しいパンづくりが進められているようです。
「あっ,美味しそうな匂い」,と言っては生徒が入っていく実験室。
となりの準備室では,しっかりとパンが焼かれているのでした。

追伸2 
 常在菌の様子を調べた結果です。
手洗いの難しいところが良くわかります。
指先と深いしわの部分です。
自分の手、手が触れた器具、机など目には見えませんが菌がいます。
それをイメージできると「発酵」がより理解できると思います。

大隈 勉