バフンウニの受精の過程を観察する -中1・高2-
この実験はもともと高校生物で取り扱うものです。
毎週行われている授業の打ち合わせでのことでした。
結果がきれいに出るので,やってみてもいいのでは?
と,ある先生の発案で,それではということで中1での実施になりました。
2月8日(月)に行われた2クラスの授業を紹介します。
中1理科 3学期は中3の内容を学習します。
「生物の成長とふえ方」の単元。
ここで,動物の有性生殖が扱われます。
実は,高校2年生でも「動物の発生」の単元が始まっており,
それならばと,急遽生物選択生をこの授業に参加させることにしました。
急なことなので,白衣の準備もできません。
KCl水溶液で刺激を与えると,放卵と放精が始まります。
雄,雌の区別は難しいので,どちらが見られるかは運です。
卵を採取して,精子をかけると受精が始まります。
卵も精子も顕微鏡下で観察できます。
受精後,受精膜ができて他の精子の侵入を防ぎます。
次の画像は受精後,受精膜が左から右に向ってできてくる様子です。
生物実験は物理・化学の実験と比べ,いつも成功するとは限りません。
うまく行かなかった班が少なからず出てくるものです。
ですが,ウニの放卵や放精は操作も簡単で,比較的高い確率で観察することができます。
ですから,この実験は中学1年生でも,はっきりとした結果を共有できる良い実験の一つと言えます。
次のクラスの授業。
ここでもうまくいったようです。
昨年4月から始まった理科の新しい試み。
1分野,2分野の教員が集まり,毎週打ち合わせの会を持ってきました。
アクティブラーニングを意識した中1の授業の検討が続けられました。
ところで
「理科2の試験は易しいよね。」
なんて生徒が言っているとか。
毎回,センター入試レベルの問題を1問は入れているのですが。
今度の学年末試験はどうなるかな?
(H.K)
まずは、ウニのトゲトゲが動くところから大興奮だった生徒。
自分の班に配られたウニが、雄か雌かはウニに注射をして、放卵するか放精するかで判明します。
「先生!僕たちの班、女の子だった~」
「うちは男か・・・」
と、そんなところでも反応が(笑)
私は中高時代、授業で実験をした記憶がほとんどありません。
でも、実験がやりたくて、生物部に入部しました。
カエルの解剖、有精卵の発生観察・・・など、その時の経験は今でも忘れません。
当時はただ単に、「実験が面白い」「すごーい」くらいの感想だったと思いますが、
のちに知識と実験が結びつくのです。
中1の生徒は、この1年間でもたくさん実験・観察をしてきました。
6年後、そして社会に出てからも、この経験が生きてくることでしょう。
(理科実験部顧問C.N)
受験で得た知識はほとんどが紙の上のものでした。
理科の実験で得たその経験は、その時に気が気づけなかったデータも含みます。
実験からの気づき、気づけなかった記憶が突然新たな知識と結びつく瞬間。
この「わ!」が知識だけではない「考える力」につながります。
(T.O)